ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態― STUDIO L Webん室

まぁ、いわゆる雑記。

「どうして?」
…と、問われたら
ぼくは黙ってほほえんで
心のなかで思うだろう


「それは君が好きだから」


そう思うだけで
決して声にはださぬよう
静かに静かにほほえんで
つと、視線をそらせて空を見よう

君に伝わらなくていいのです
これはぼくの秘め事だから
自分勝手な
自己満足だから
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おかあさん
あなたの作るおにぎりは三角で
角がきちんととがっていた
ほどよく握りこんでいて
もろもろ崩れることがない
運転しながらでも安心して食べられる


おかあさん
あなたの作るおにぎりは塩味で
ときどき種を抜いた梅干しが入っていた
ほぐした焼き鮭を混ぜ込んだのもあって
どれも塩加減がちょうどいい


おかあさん
あなたが持たせてくれてたお弁当は
おにぎりが3つに 三切れを一包みにした玉子焼きが三包み
私がそれだけでいいと言ったからだけど
どこに行くにもそればかり
いつも残さず食べました
いつでもおいしく食べました


私はいまだに
あなたのおにぎりにたどりつくことができません


さいごにおにぎりを作ってくれた日
あなたはお弁当のつつみを渡しながら泣いていた。
おにぎりがうまく握れないと
さめざめと泣いていた。

私はあのとき
「どんな形になっても、かあちゃんのおにぎりが食べられることが嬉しいんだよ」と
笑って受け取って出かけたけれど
本当は一緒に泣いてしまいそうだった
だけどあなたをこれ以上悲しませたくなかったから
ニコニコと笑って出かけていったのです

車の中で包みを開いて
もろもろと崩れるおにぎりをほおばって
私は涙があふれて仕方がなかった
このおにぎりはきっと最後のおにぎりになる
そんな予感がしていたから

そしてそれは現実になりました



カミサマにひとつだけお願いできることがあるならば
母のおにぎりをまた食べたい
と心から言いましょう



今 私は自分のためにおにぎりを握ります
母のあのおにぎりを
いつか自分で作れるようになりたいと
ひとつひとつ心を込めて
おにぎりを握ります
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ぼくがなにか血迷ったことを口走ったなら
君は笑ってそれを否定してくれていい
むしろ否定して欲しい
間違ってもYesと言わないで欲しい

なぜならそれは
きっと気の迷いだからです
気の迷いだ気の迷いだと自分に暗示をかけ続けていなければ
ぼくはきっと迷ったままになってしまう

ただひとつ願うことは
君が困ってしまったり泣いたりしないこと

ひとりよがりな思いだと
重々承知の上でそう思うのです

君が楽しそうにしているのを
どこかでそっと見ているだけでいい

君が幸せであるならば
ぼくはそこにいなくていい
君を幸せにする人は
ぼくでなくていいのです
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あなたが愛に迷うとき
それは寂しいときではないですか?
寂しくないときにも
それを愛していると言えますか?

人は弱くて悲しいから
寂しいきもちを持てあましたときに
誰かを愛していると
錯覚することがあるのです

あなたが愛をささやいて
相手がそれを受け入れてくれたとして
あなたはいつまでもその愛を
持ち続けることができますか?

寂しいきもちを愛と錯覚してはいけません
そんなときに愛をささやいてはいけません

あなたは自分のその足で
ひとり生きていくと決めました
そのことについての覚悟を
もういちど思い出さねばなりません

そのためにあなたがすべきこと
それを
ゆっくりでいいから
思いだしましょう

忘れてしまったのなら
思い出さなくてもいいのです
また考えて作っていけばいいのです
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