2016.10.17 Monday
おかあさん
あなたの作るおにぎりは三角で
角がきちんととがっていた
ほどよく握りこんでいて
もろもろ崩れることがない
運転しながらでも安心して食べられる
おかあさん
あなたの作るおにぎりは塩味で
ときどき種を抜いた梅干しが入っていた
ほぐした焼き鮭を混ぜ込んだのもあって
どれも塩加減がちょうどいい
おかあさん
あなたが持たせてくれてたお弁当は
おにぎりが3つに 三切れを一包みにした玉子焼きが三包み
私がそれだけでいいと言ったからだけど
どこに行くにもそればかり
いつも残さず食べました
いつでもおいしく食べました
私はいまだに
あなたのおにぎりにたどりつくことができません
さいごにおにぎりを作ってくれた日
あなたはお弁当のつつみを渡しながら泣いていた。
おにぎりがうまく握れないと
さめざめと泣いていた。
私はあのとき
「どんな形になっても、かあちゃんのおにぎりが食べられることが嬉しいんだよ」と
笑って受け取って出かけたけれど
本当は一緒に泣いてしまいそうだった
だけどあなたをこれ以上悲しませたくなかったから
ニコニコと笑って出かけていったのです
車の中で包みを開いて
もろもろと崩れるおにぎりをほおばって
私は涙があふれて仕方がなかった
このおにぎりはきっと最後のおにぎりになる
そんな予感がしていたから
そしてそれは現実になりました
カミサマにひとつだけお願いできることがあるならば
母のおにぎりをまた食べたい
と心から言いましょう
今 私は自分のためにおにぎりを握ります
母のあのおにぎりを
いつか自分で作れるようになりたいと
ひとつひとつ心を込めて
おにぎりを握ります
あなたの作るおにぎりは三角で
角がきちんととがっていた
ほどよく握りこんでいて
もろもろ崩れることがない
運転しながらでも安心して食べられる
おかあさん
あなたの作るおにぎりは塩味で
ときどき種を抜いた梅干しが入っていた
ほぐした焼き鮭を混ぜ込んだのもあって
どれも塩加減がちょうどいい
おかあさん
あなたが持たせてくれてたお弁当は
おにぎりが3つに 三切れを一包みにした玉子焼きが三包み
私がそれだけでいいと言ったからだけど
どこに行くにもそればかり
いつも残さず食べました
いつでもおいしく食べました
私はいまだに
あなたのおにぎりにたどりつくことができません
さいごにおにぎりを作ってくれた日
あなたはお弁当のつつみを渡しながら泣いていた。
おにぎりがうまく握れないと
さめざめと泣いていた。
私はあのとき
「どんな形になっても、かあちゃんのおにぎりが食べられることが嬉しいんだよ」と
笑って受け取って出かけたけれど
本当は一緒に泣いてしまいそうだった
だけどあなたをこれ以上悲しませたくなかったから
ニコニコと笑って出かけていったのです
車の中で包みを開いて
もろもろと崩れるおにぎりをほおばって
私は涙があふれて仕方がなかった
このおにぎりはきっと最後のおにぎりになる
そんな予感がしていたから
そしてそれは現実になりました
カミサマにひとつだけお願いできることがあるならば
母のおにぎりをまた食べたい
と心から言いましょう
今 私は自分のためにおにぎりを握ります
母のあのおにぎりを
いつか自分で作れるようになりたいと
ひとつひとつ心を込めて
おにぎりを握ります