ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

---------------------------------------------------------

ガラス瓶の中に想いを詰め込んだ。
したためた短い文章も。
それをそっと水面に置く。瓶はゆっくりと海流に沿って流れ始めた。

海流が進む先には、彼女がいる基地がある。自分がこの任務を終える頃、瓶はきっと基地に流れつくだろう。
計算しつくした行為だが、実行する時はいつもドキドキする。
「もし何らかの不測の事態が起きて、届かなかったらどうしよう」……と。

いつの頃からか艦娘の間で流行った“お遊び”に過ぎない。どちらかが基地で留守を守る際に面白がってやり始めたことだったのに、気づけば必須行動になっている。やらないと気持ちが悪いし、届かなければ気を揉む。
「まー、お守りみたいなもんさねぇ」
彼女は笑って頓着しない。


波間に漂う何かを見ると、艦娘たちは必ずそれを回収する。
最近の流行りは瓶だ。
紙が入っていれば大当たり。
外から“宛先”が見えればなお大当たり。

……世界は限りなく優しい。


---------------------------------------------------------
　最後から二行目を削ってギリ3ツイートに収めました。
　行間を読めれば、必要のない文だったので。
　ちなみに削った一文は、

『それは必ず届けられる。』

　でした。420字から11字ほどオーバーしてたんですね。この一文が入っていれば、親切ではあるんですが。

--------------------------------------
紙が入っていれば大当たり。
外から“宛先”が見えればなお大当たり。
それは必ず届けられる。

……世界は限りなく優しい。
--------------------------------------


…このあたりは好き嫌いありそうだな。


　短い文章のほうがホントに難しいのです。
　また機会があったら何かやりたいと思いますｗ