ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

彼女は雨が好きだった。
アタシは好きじゃないのにサ。
だぁってそうじゃない。お湿りの日は式たちが飛ばせないんだもん。空母としちゃ当然サァね。
でも彼女は言うのサ。
「だからお前は、私の所へ来るだろう？」
まぁったくやんなっちゃう。すべてお見通しなんだから。いつの間にそんな浅知恵ついたんだろね。こないだまでこーんなにちっちゃかったのにサ。
でもま、アタシもそう言われちゃまんざらでもない。いい気になって、そのまま彼女の部屋に上がり込んで、のんびり酒を飲んだりゴロゴロ怠惰に寝転がったり、興が乗れば彼女とチョイトイイコトしたりする。
イイ時間だったなぁ。すんごくシアワセな時間だった。
そう言っちゃったらお察しの通り、今彼女はここにはいない。アタシゃ彼女が消えた瞬間を見ていない。
見たヤツの話じゃ、提督と共に首席秘書艦を追って、波間に消えたってこった。
アタシゃ大事なモノをなくしちまった。
でもいい。彼女らしいやね。
それでいい。


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　ツイート数としては4Twでしたが、文字数は428（改行込み）でした。

　…『ヒナセ基地の物語』の一端ををほんの少しだけからめています。