2014.04.11 Friday
「大丈夫でないなら、静かにすみやかに坊から退室して下さい。OKなときはその場に静かに座って下さるか、やはり退室して頂ければ結構です」
「えーと……つまりは、基本的には退室しろ……ということですね?」
私は確認した。
「ええ。その通りです。ですが、OKなら、あとの判断は聖さんにおまかせします」
そう言うと、久世さんはすらりと立ち上がった。僧衣の前を一度開き、またしっかりとひもを結んだ。志井さんが差し出した茶色っぽい輪袈裟を受け取って首からかける。志井さんが後ろから袈裟のゆがみを正すような仕草をし(これは蓉子の“妹”である小笠原祥子がその“妹”の福沢祐巳によくしてやっていた仕草に似ていた。つまりは別にどこといってゆがみがあるように見えないのに、それ手をかけ、正してやるのだ)、すっと肩の稜線をなでて僧衣のしわを伸ばした。
「ご院家、どうぞ」
「はい。ありがとう。ではよろしく」
久世さんは、志井さんに向かってうっすらと微笑み、私たちにぺこりと頭を下げると、居間を出ていった。
ここで段が変わるので、しばし連載をストップします。
ここから先に、『九苑-くおん-』の盛大なネタバレがあったりするからなんですが。
さてその『九苑-くおん-』のお話。
現在第4話を書いてますが、やっぱり中身を詰め込みすぎまして。
アカン。これはアカン。……ということで、現在書いているお話を2分割して再編しなおうことに。
連載を止めてさほどしないうちに公開できると踏んでいたんですが、そうは問屋が卸しませんでした。大変申し訳ないです……というお話です。はい。
マジにすみません(やーん。