ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態― STUDIO L Webん室

まぁ、いわゆる雑記。

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 『風雨来記3』が手元に届いたので、1日1回1時間程度、毎日北海道に旅立つ所存(は?



「じゃ、まずは聖さんの車を裏の車庫に移動しますか」
 ふむふむ。来客用の駐車場に車があるのはおかしいもんね。
 ということで、二人でぶーぶーのところに行った。作務衣にスニーカーってなんだかバランス取れなくて変な感じだったけど、草履での運転は慣れていないと危ないからと靴を勧められたのだ。志井さんは私が風呂に入っているあいだに、ふもとに降りていったとのことだった。
 運転席に滑り込んでキーをいれてエンジンを掛け……あれ?
 あれ? あれ? あれ??
 ぶーぶーはウンともスンとも言わない。
「どうしました?」
 久世さんが運転席をのぞき込む。
「いや……あの……エンジンが……」
「もしかして、かからない?」
 私はなすすべなくうんうん、と首を立てにふった。
「あら。……ちょっと、代わっていただけます?」
 久世さんは、私と本人を交互に指さして言った。
 私が車を降りると、久世さんがするりと流れるような動作で運転席に座る。背もたれにはよりかからず浅く座った姿勢のまま、エンジンを掛ける動作をしたが、ぶーぶーは「ひん」とも「ひゅん」ともつかないと情けない鳴き声を小さく上げただけで、やっぱり沈黙している。
「仕方ない。押しましょう」
 久世さんは躊躇なく立ち上がった。首に掛かっている袈裟を外して簡単にたたみ、助手席に投げ入れた。
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