ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態― STUDIO L Webん室

まぁ、いわゆる雑記。

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 グダグダな二重書きの部分をさくっと整理しました。



 そんなこんなでなんとか通り抜けてみれば、対向車は1台も来なかった。しかし寿命が縮まったことは確かだと、つくづく思った。
 山から下りてみれば、そこは集落と言うにはちょっと大きな、けれども少し寂れた雰囲気の町に入った。昔はたぶん繁華街だったんだろう、昭和の香りのする東京の下町が過疎化して、雑貨店(決してスーパーマーケットではない)とか農協さんとかお茶屋さんとかお医者さんだとか、そういう店や医院がぱらぱらと並んで立っている。その道沿いにはバス停がいくつもあったりして、「ああ、人の住むところに着いた」と、私を内心ホッとさせた。
 さて、どこが久世さんのご自宅でもあるお寺なのかときょろきょろしていると、さらにさらにまっすぐ一本道を走って走って走って……結局その町は通り過ぎて、さらに三桁台の県道で繋がった小さな集落を2つほど過ぎて、そろそろ本格的な山道になるんじゃないかと不安が募ってきたところで、久世んちの、という門が見えた。
 ……なんだかでっかいんですけど。
 門は山道(やまみち)の入り口に立っていた。
 紛う事なきお寺の門だ。“妹”である志摩子の家は小寓寺というお寺で、そこにも門があるけど、その門と大きさがあまり変わらない。小寓寺はそこそこ大きなお寺だということだが、ここもそうなんだろうか。
 「とりあえず、その門を入ってください。車のままでいいですよ。」
 久世さんの言葉に従って、門をくぐり抜ける。
 「この道の、ドンツキが拙宅です。」
 そう言われて舗装されていない山道をのぼる。のぼるのぼるのぼる……。
 ガードレールの向こうの風景がどんどん開けてくる。山肌が間近に見えて、下界がどんどん遠くなる。上り着いた先にもう一つ大きな門が見えてきた。やっと終着点らしい。
 「内山門(うちさんもん)の横から駐車場に入れますから。」
 久世さんが指し示す通りに車を進めて、無舗装だけどきれいに整備されている駐車場の一角に立っている、木の下にぶーぶーを駐めた。




 そろそろ折り返し地点です。
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