2011.01.05 Wednesday
……で、その後どうなったかというと、私は金色頭のお坊さんを自分の車に乗せて、彼女の自宅……つまりはお寺に向かっている。
船を下りたのはF県の新M港。本来ならば久世さんの家の人が車で迎えにくる手はずだったらしいのだが、急用ができたとかで『電車で帰ってきて下さい』とかなんとか、港に着いたとたんにメールが飛びこんできた(私はその時久世さんの横にいたので、着信音から彼女がメールを確認するまでの一切を見ていた)のである。迎えがくるものとばかり思っていた久世さんは、うっかりJRのK駅に直行するバスに乗り損ね、タクシーで行くと言い出した。
『袖振り合うも多生の縁』。さらに同じ佐藤姓である縁。ご縁がふたつ重なっていることだし、ここはこの不詳・佐藤聖、一肌脱ぎましょう! ……と、とりあえずK駅に送って行くことにしたまでは良かったのだが、車の中でさらに話が弾んでしまって、もういっそご自宅まで送りましょう、どうせ先を急ぐ旅でなし。……という流れになって、港から直線で70kmはゆうにあるという久世さんのご自宅まで行くことになったのである。
“金色頭のお坊さん”と“あめりか人”を乗せた赤いちっちゃなぶーぶーは、いくつかの田んぼと山あいとちょっと都会な郊外を通り抜けて、いきなり何にもないだだっ広い平野(本気で「あ、地変線が…」と思ってよく見たら、遥か彼方に水平線がちょんもりと見えた)にさしかかったかと思うと、えらく広い川にかかった大きな橋を通り抜け、都会に突入したかと思ったらすぐにまた田園風景へと変わったところにある、インターチェンジで高速を降りた。
書く前ってうだーうだー悩んでる割には、書き始めたら、止まらなくなるんですよねー(w。