2010.10.29 Friday
風呂から上がってエントランスに出ると、ガラスで仕切られたTVが置いてある小部屋の中に、金色の坊主頭が見えた。その頭をちらりと見て、私はすぐに部屋に戻ろうとしたのだけど、なんとなく足が止まってしまった。
金髪の後ろ頭が少しうつむき加減に下を向いている。テーブルの上に広げられた灰色がかった大きな紙が、丸めた背中越しにちらりと見えた。どうやら新聞を読んでいるようだった。
旅先の風呂の中で出会っただけの人。お互いに偶然とも必然ともいえる勘違いをした。ただそれだけの人なのに、なぜだか気になる。
声をかけようか、そのまま立ち去ろうか。
立ち去ってしまえばたぶんそれだけの関係に終わるのだ。それは……ちょっともったいないような気もする。私は“佐藤聖の勘”に従うことにした。
TVルームの中に入って、金髪坊主頭の女性に声をかけた。
「ごきげんよう。……先ほどは、どうも。」
浴場ではうっかり挨拶を返し忘れてしまったから『おはようございます』と言うべきなのかもしれないけど、この場合『おはよう』はちょっと違うような気がした。『こんにちは』や『こんばんは』はもちろん何を言わんや、だ。なので、あまり一般的ではないと分かってはいたけどリリアン式で『ごきげんよう』を選んだ。こんな時にはとても便利な言葉だ。言い慣れているからよどみなく言えるっていう点でも悪くない。
相手はすぐに顔を上げてこちらを見た。私だとすぐに認識すると、にっこりと笑みを返してくれた。
「私の方こそ。よかったら座りませんか?」
そう言うと、新聞をたたんでテーブルの隅に置く。その動作はゆっくりだけど流れるように自然で、まるで布がたたまれていくように、ほとんど音がしなかった。
だらだら書くのが最近のクセっぽくなってきてます。いかんなぁ。
現在の時点でだいたい43枚。でも真ん中にも達してないので、こやつも100枚オーバーになるよーで。
いかんいかん。80枚程度で収めたかったんだけど。うぬー。
最後にまとめるとき、ずばっと頭の方を削ってしまうか?
一度、核心だけの部分のみをピックアップしたようなものを書いてみるといいのかもしれない。