ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態― STUDIO L Webん室

まぁ、いわゆる雑記。

<< 『木槿(ムクゲ)・15』 : main : 『木槿(ムクゲ)・17』 >>
 追加で上げとくか……てな感じで。



 私が呆然と立ちすくんでいると、さらに女性は言葉を重ねた。
 「こちらに来ませんか? 湯船の方が視界がクリアなんです。今のままではお互いに姿が見えないでしょう?」
 なにかがとても楽しくてしかたがない、といった雰囲気の声だった。どうしていいか分からなくなった私は、それに従って湯船に近づいた。言葉の調子はやさしいのに、なんとなく従ってしまう。そんな調子を声だった。
 湯船に近づくと、果たしてそこはスキンヘッド(なんだろうか?)の言ったとおり、湯気がほとんどなくて『視界良好、ヨーソロー』な状態だった。私は湯船の中の人影を見る。そこにいたのは、ご婦人――間違いなく女性だった。
 そこそこご年配、有り体に言えば中年の。しかし頭髪が金色で、極端に短い。
 ……。
 ベリーショートの女性はいくらでも見たことがあるけど、目の前の人まで短い女性の頭髪は見たことがない。微妙に違うんだけど、やや長めの坊主頭。まるでバリカンで刈ったんですか? と訊きたくなるほどの短さ。湯気で視界が悪かったってことを差し引いても、たぶん後ろからや遠目で見たら男に見えるんじゃないだろうか? そんな感じ。
 湯船の中の中年女性は、たぶん間抜けな顔で目を白黒させているだろう私を見上げて、ニコニコと笑って言った。
 「Hi, Good Morning. How are You?」
 ……え!?
 あまりに流暢(りゅうちょう)で鮮明なロイヤル・イングリッシュ系の発音だった。金髪頭は置いといて、どう見ても日本人な顔立ちなのに、一瞬あちらの人かなと錯覚しそうになって、相手をまじまじと見てしまった。しかし相手は、私の沈黙を別の意味にとらえたらしかった。
 「Bonjour...? ……Guten Morgen...? ……Хорошее утро
...?」
 「だっ……大丈夫です! 日本人ですからっっ!!」




 …じゃないと、いつまでもお終わんねっす。
 そして怒濤の繁忙期に突入したら、また大停滞すると思われるのです(とほほ…。

 真打ち登場! …なのに、なかなか名前が出せない罠~~(涙。
拍手送信フォーム
二次創作・実験室 > マリみて


page top