ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態― STUDIO L Webん室

まぁ、いわゆる雑記。

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 できるならば、再開。



 「『春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際(ぎは)、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる』……か。」
 今は夏なんだけど、そうつぶやきたくなるような色の空だった。まったくもって大昔の人の描写力はすごいと思う。日本のエッセイの走りと言われるのも伊達ではない。
 大きな船だからなのか天気がよいからなのか、どんぶらこどんぶらこと縦に揺れる感覚はほとんどない。顔に当たる風が強く冷たく、耳の横をかすめてビュンビュン通り過ぎる。太陽が出ていないというだけで、海の上はこんなにも寒いんだとはじめて知った。
 熱いコーヒーを一口飲んで、ふうっと息をつく。吐く息が白くならないことが、ちょっと不思議な気がした。
 ふと周りを見渡せば、私のほかにも数人の人が甲板に出て、私と同じ方角を見ていた。
 どうやらこの冷たい風が吹きすさぶ中で、海からの日の出を見ようかなんて物好きは、どこにでも存在するらしい。しかし物好き同士であっても干渉されることは嫌なのだろう。お互い自分の視界に入らないくらいの適度な間隔をあけて陣取っている。
 私は別に日の出を見ようと思って外に出たわけではなかったし、紙コップの中身を飲み干したときにはすっかり体が冷え切ってしまっていて、何のために熱い飲み物を買ったのか分からない気分になってしまったので、エントランスに戻った。
 案内カウンターの奥の壁にはめ込んである時計を見ると、5時ちょっと前を示していた。
 よし、ちょうどいい時間だ。
 私はそのまま大浴場へと向かった。




 ちょこっと短いですが。
 頭と尻に改行入れると、ちょうど2枚くらいの量になるんです(苦笑。
 次回、真打ち登場(w。
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