ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態― STUDIO L Webん室

まぁ、いわゆる雑記。

<< 『木槿(ムクゲ)・9』 : main : 『木槿(ムクゲ゙)・11』 >>
 西へ西へ…。

 いや、行き過ぎだろう、佐藤。



 そしてなぜか、私は九州に向かうフェリーに乗っている。
 神戸から船が出ていた。
 単純に言うとだ、関西に入ったまでは良かったのだが、周りの状態に気圧されて、さらにうまく車線変更できなくて、気がついたら神戸を走っていたというわけ。そもそも高速道路を降りるつもりもなかったのに、国道へと向かう車の流れに逆らえず、あれよあれよという間に降りてしまったのだった。
 国道に降りたら降りたで、そこは天下のひとケタ国道、東京並み……いやそれ以上に交通量が多いときたもんだ。さらに地の利がないのもまずかった。仕方がないので道路の上に掲げられている青い行先表示を見て自分の進んでいる方向をとりあえず頭にたたき込みながら、自分は一体どこに連れて行かれるのだろうと少し不安に思い始めた時、その表示が目に飛び込んできたのだった。
 フェリー乗り場
 神にもすがる思いだったね。
 「マリア様、ありがとう!」
 なんて、本気で呟いちゃったくらいだ。この私が、である。それだけせっぱ詰まってたってことだ。
 着いてみればそこは、神戸―九州間を運行しているフェリー乗り場だった。
 繁忙期ということで、かなり遅い時間の出発便まで運行されていた。
 残っていたのは最終便。
 この時点の私は これ以上運転するのにも飽きて嫌になってたし、地の利のないこの見知らぬところで駐車場完備のホテルをさがすのも面倒になっていた。さらに、お盆明けだというのに空き席があった。
 今日はたくさんの間違いが重なって重なって重なって……。気がついたら東京から何百キロメートルも離れて、さらに遠ざかろうとしているというわけだ。
 九州に着いたらどうするかなんて、まったく考えていない。もしかしたら東京へ直行するフェリーが出ているんじゃない? くらいの気楽な気持ちしかない。まぁなんとかなるでしょう。クレジットカードは持ってるから、所持金にはまぁ困らないしね。
 もちろん、あとでやってくる支払い請求が恐いけど。それもなんとかなるだろう。




 あと3回くらいで、“あの人”が、出てきます(w。
拍手送信フォーム
二次創作・実験室 > マリみて


page top