2010.10.02 Saturday
「さて、どうしよう?」
見渡すかぎりタヌキの置物だらけのパーキングエリアの駐車場で、とあるタヌキの頭に肘を置いて頬杖つきながら、私は呟いた。太陽は山の稜線に隠れようかとしていて、空は西の方角ばかりが真っ赤っかだった。
実はここまでやってきて、ちょっとマズイ失敗をしていることに気がついた。
携帯電話がなかったのである。
間違いなく家(アパート)に置き去りになっている。そのココロは?
持ってるカバンが昨日と今日では違うから。
クレジットカードやキャッシュカードが入っている財布だけはしっかり入れてきたから、金子で困ることはない。そこは聖さん、抜かりがない。
戻ってこない私に、父が業を煮やして電話をかけているかもしれない。
ここで困るのは、携帯電話が普及した昨今、公衆電話を探すのが一苦労だということだ。どうも新設されたばかりらしいこのパーキングエリアをぐるりと見渡してみたが、公衆電話らしき影は見あたらない。文明が発達するのも善し悪しだな、とこういうときに思う。
私が子供のころ、つまり携帯電話がこんなに普及していなかったころは、コンビニエンスストアの入口付近とか、駅のあちこちとか、タバコ店の軒先とか、それこそ歩道のいたるところに公衆電話ボックスやピンクの公衆電話があったというのに。
「ま、ないものは、ない…やね。」
私は肘かけているタヌキの鼻っ面を、指先でぴん、とはじいた。このタヌキだけ、なんだか愛嬌があって憎めない顔をしている。なんとなく、蓉子の“孫”の福沢祐巳ちゃんを思い出させる顔のタヌキだった。
追いつかれたワケは、2日ほどサボったからでありましてー。
…ちょっとした体調不良&ちょっとエアポケット落ちってヤツです。はい。
ま、ま、しゃーない。
いちいち落ち込んでもいられんとですが、……アレが体からサヨナラしてくれるまではしゃーないのかな。
日記に投下してたアレのつづきもそろそろ書きたいんですけど(ふふふ…。