ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

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まぁ、いわゆる雑記。

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 艦娘は兵器――究極に言えば工業製品――と位置づけられた存在である。人間に酷似しているので一般的にはロボットみたいなものと思われているが、実際には、人間がもつ能力を何十倍にも強化したバイオロイド的なモノと考える方が正解に近い。筋力はもとより、五感については視力と聴力がことさらに強化されており、どちらも感知範囲はかなり広く、精度も高い。
 今『妙高』の中には五十隻近い艦娘たちがいて、そのうちの二十八隻は作戦海域で回収した艦娘である。内訳はドロップ艦だろうと思われる艦娘が九隻とドロップ艦でもないのになぜか所属元が判明しない艦娘が十九隻。所属不明艦は佐鎮の艦政部にすべて引き取って頂きたかったのだが、状態の芳しくない艦娘ばかりを選り分けられて、そのまま押しつけられてしまった。ヒナセが所属する鹿屋は佐鎮管轄下の主要基地であり、その鹿屋の分基地であるヒナセの三三六分基地は、佐鎮の孫(まご)曾孫(ひまご)玄孫(やしゃご)みたいなもので、家長にも等しい存在から基地の主任務を盾に艦娘の引き取りを拒否されてしまえば、こちらはグウの音も出ない。というわけで二十八隻全員とりあえず鹿屋に連れて帰ることになった。鹿屋に戻った先のことが確定していず、さらに自分ちの艦娘のほうが少ないという状況で、未所属艦娘に内部事情が漏れるのは、はっきり言って好ましくないどころか危険である。回収・搬送艦娘が数隻なら厳重防音された専用の待機部屋にでも入っていてもらうのだが、まさかの十五隻超えでそういうわけにもいかなくなった。仕方がないので一部の兵員室を収容艦たちに解放すると、今度は艦内中に張り巡らされている伝声管がやっかいな存在になった。伝声管内に伝っている音が人間には聞こえないくらいの音量だとしても、艦娘になら聞こえてしまう可能性が十分ある。
 そのような諸々の事情が重なって、結局、防空指揮所くらいしか内緒話ができる場所がなかった。寒いのなんとは言ってられない。
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