ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

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まぁ、いわゆる雑記。

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 カワチが発令すると、各艦から出張してきている連絡妖精さんたちが一斉に自艦へ命令を伝達し始め、さらに数分後に各艦娘たちから任務遂行を完了した旨の報告が入り始める。普段は静かな艦橋内に、さざ波が立てるざわめきのような音が満ち、そしてふたたび静寂が訪れたとき、鳳翔が静かに告げた。
「全艦隊、命令遂行完了しました」
 ふたりの提督は、視線を艦の進行方向に見据えたまま、同時にうなずいた。
「じゃ、ま……とりあえずこのまま、作戦総司令部の命令が出るまで待機ね。みんな無理はしないように。救難信号をキャッチしたら、まず報告して下さい。嵐が酷いから勝手に行動しないように。巻き込まれたら本末転倒だ」
「司令官、ほんの少しでいいから、取り繕い給えよ」
 カワチが形の良い眉を微かにひそめた。
「いいじゃん。どうせあっちには聞こえない」
「聞こえやしないが、艦たちの行動でこっちのやる気が無いのがバレるのは得策でないよ」
「あー……もう、めんどくさいなぁ」
 ヒナセの顔が盛大にしかめっ面になる。それを見たカワチは、世にも珍しいモノを見ている顔になりつつも、艦橋の士気がこれ以上下がらないようヒナセをなだめる作戦に出た。
「そう言いながら、私に指示発令を丸投げしない君の真面目さは好きだよ」
「……こんな時にもその軽口叩きますか」
「軽口なんてとんでもない。心より賞賛しているのさ」
「ふだんの態度がアレだから、信用できな――」
「波です! 十時の方向!!」
 鳳翔の鋭く、しかし落ち着いた声飛び、言い終わると同時に世界が大きくうねった。羅針艦橋の中にいる妖精さんたちが宙を舞う。
 さすがのカワチも不意を突かれて踏ん張ることができずに体勢を大きく崩した。それでも手近にあった管をとっさに掴むことには成功し、無様な転倒だけは回避した。
「ヒナセ、大丈夫か!?」
「……なんとか」
 先ほどの憮然とした声から一転、か細い返事が返ってきた。カワチが声の方向を見れば、そこには妖精さんたちにまみれたヒナセが、鳳翔に抱き留められて床に転がっていた。
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