ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

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まぁ、いわゆる雑記。

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 スタートを告げる号令も空砲もなく、深海棲艦との海戦以上の喧噪が始まった。
 艦隊総司令に到着報告をする前に、何故かヒナセの乗艦に補給担当参謀が乗り込んでくる。
 補給船団の旗艦は別の艦だと説明するのに誤解は晴れず……というか無視され、ヒナセ補給船団護衛艦隊の旗艦はそのまま補給司令艦にされ、ヒナセと補給担当参謀が揉めている間に『鳳翔』の甲板上にプレハブの仮小屋が建てられて、海上オフィスにされてしまった。
 自艦上に補給司令部の仮オフィスを用意して待っていた補給船団司令は「顔を潰された」と怒ってヒナセに文句を言ってくるわ、いつも妖精さんたちによって顔が映り込むほどきれいに磨きあげてある『鳳翔』の飛行甲板はヤローどものドカドカ歩きで汚されるわ、しまいには補給船団の護衛艦隊司令はとっとと護衛任務に就け――つまりは座乗艦を変えろと暗に言われて、ヒナセの怒りは頂点に達した。
 不穏な空気を察した護衛艦隊副司令のカワチ少将から全力でたしなめられなければ、ヒナセは躊躇なく鳳翔に艤装を解いて艦を海上から消すよう命じただろう。
 艦娘がベースの軍艦は、艦娘形態と実艦形態の二つを実装している。艦上に人が乗っている状態で、実艦形態を解いて艦娘形態に戻ればどうなるか。
 答えは簡単。
 乗艦中の人間や艦娘や甲板上にあらたに設置された物らは、等しく海に投げ出されることになる。
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