2014.04.04 Friday
カメさんの軽トラックにまたもや乗って、お寺に帰ってきた。といっても軽トラックにはふたりしか乗れないので、誰かひとり荷台に乗らなくちゃいけなかった。
間違いなくいちばん若い私が乗るつもりにしていのだけれど、久世さんはさも当たり前の顔で、ひょいっと荷台に乗って、そこに寝っ転がった。私は有無を言うひまもなくカメさんから助手席に押し込まれた。
お寺に帰る短い道中、カメさんからなんだか謝られてしまった。なんでカメさんが謝るんだろうと思っていたら、支払いの件は、カメさんに電話がかかってきた時点で付いていて、私はすでにすべてを了解済みなんだと思っていたんだそうだ。
「キュウちゃん、気に入ったのがおったら、ちぃと強引やきねぇ。すまんねぇ」
カメさんは言った。
「良かご院家なんばってん……まぁ人間ちゃどっか欠点があるけんな」
言い訳なんだか自分に言い聞かせているんだが、微妙にどっちとも取れることを、さらに苦笑しながらつぶやいた。
私はさっきからちょこっとだけ気になっていることを訊いてみることにした。
「そのー……志井さんなんですけど、やっぱ、名前で呼ぶのは、危険ですかね?」
「あぁん?」
カメさんがいぶかしんだような声を上げる。
「いや、あの……さっき、久世さんから叩(はた)かれ……て、ました……よね?」
ああ、と納得した声でカメさんが答えてくれた。
「ありゃ俺(おる)たちだけたい。俺らのカミさん達(たつ)がヨメちゃんのこつば名前で呼ぶったい。歳が近いけんな。だもんで、ついつい俺らもそう呼んだら、キュウちゃんから殴(く)らされたとっさ。どうやら、ヨメちゃんのこつを男衆(おとこし)が名前で呼ぶっとが好かんだけのごたるけん、アンタやったら大丈夫やなかか?」
……半分くらい何を言ってるかわからなかったが、私がリリアン式でうっかり呼んだとしても、たぶん大丈夫ではないかということは、なんとなく理解した。
もう一文入ってましたが、ちょっとしつこいかなと思ったから、登校時に削ってみた。
元ファイルには残してあるので、まとめるときにどうするか決める所存(※自分メモ。