2014.03.20 Thursday
「うぉーい」
ほどなくして男の人が返事をしながら出てくる。どちらかといえば小柄でちょっとずんぐりむっくりとした体格で、むき出しになった腕や顔が真っ黒に日焼けした小父さんだった。歳のころは久世さんと同じくらいだだろうか。眉が太くて目がつぶらなのが印象深かった。
「すまんやったねぇ。もちっとしたら、母ちゃんと取りに行かなち思いよったとばってんね」
「ちょっと時間ができたもんですからね。それと、車のオーナーを連れてきました」
「……はぁーあ。今回んげはちぃっとエラかこつな?」
「さて、どうでしょうねぇ。私はまだ会ってませんし」
「なん、嫁ちゃんにしか話せんな」
「いや、そこもまだなかなかで」
「……とと……」
カメちゃんと呼ばれたた小父さんは、私のほうにちらりと視線をやってから口をモゴモゴ言わせた。
「ん? ああ……彼女は大丈夫ですよ。まだ話してはいませんが、たぶん」
久世さんはさらりと言った。ああ、やっぱりこの人は私と同族なのかと得心したが、それについて、今こちらから話を振るのもどうかなと思ったので、知らん顔を決め込んだ。
「……で、車ですけど、乗ってみた感触はどうでした? できたら早く修理ができるといいんですけど」
ねむーぅ。