ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態― STUDIO L Webん室

まぁ、いわゆる雑記。

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 明日お昼に出発です。
 自宅に戻るのは、3日の夜遅く……かな。



 へ? どこかで聞いたような名前だぞ。そう思った瞬間、先ほど頭をかすめていったことなんかすっかり忘れて、思わず喋っていた。
 「わ、私は佐藤聖と言います。東京のリリアン女子大の学生です。」
 同じゼミにいる加東景ほどではないけれど、佐藤久世もそこそこに似た名前でないですか? 一字外せば、ほら同じ名前(よみ)。
 「おやおや。私が余分な音を持っているんですねぇ。」
 相手もほぼ同じことを思ったらしい。私たちは、「えへへへ」「はははは」とお互いに笑いあう。
 「同じような名前の縁です。私の部屋に来ませんか? 佐藤さん。」
 「はい?」
 「私、個室を取っているんで、周りに気兼ねせずに話ができますよ?」
 佐藤さんは上半身をこちらに少し倒すと、ささやくように言って、ちらりとガラスの外に視線を流した。私も同じようにこっそり視線を外に送ると、そろそろエントランスに人が多くなってくる時間のようで、“金髪頭のお坊さん(らしき人)とアメリカ人”が会話しているのを、遠巻きに見ている人たちが何人もいるのが見えた。
 ここで見せ物になるのはあまり歓迎すべきことではない。私は佐藤さんの提案に乗ることにした。
 「じゃ、お言葉に甘えて。」
 その言葉が合図になって、私たちは椅子から立ち上がる。
 「部屋から荷物を持ってこられます? あなたが良ければ、私は構いませんよ?」
 下船まで話をしようということか? それも悪くない。
 「そうですね。……実はゆうべ部屋がちょっとにぎやかで。」
 小母さま方の団体さんはなかなかパワフルだ。モテるのは悪い気はしないが、時と場合による。
 「では参りましょう。佐藤さん。」
 佐藤さんが歩き出したのを追いかけながら、私は彼女の背中に向かっていった。
 「“聖”でいいです。佐藤さんから佐藤さんと呼ばれるのは、なんだか不思議な感じがします。」
 「では、私(わたくし)も“久世(きゅうせい)”で。」
 久世さんは振り返ってそう言うと、にっかりと笑った。





 明日泊まるホテルに、ネット環境はあるだろうか?(w。

 【追記】
 夜中に更新した分に、90字ほど足しました。
 あとは自宅に戻ってからになります。
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