2010.09.27 Monday
「もしかして、おとーさんの好きな車?」
「……お前が俺を差し置いてコレに乗るようになるとはな。」
父親とは、意地っ張りな生き物でもあるらしい。
嬉しそうなそれでいて悔しそうな複雑な顔で、買ったばかりの車をしげしげと眺めている。
もしかして本気で受験に失敗しろなんて考えてないでしょうね?
そんなことを心の隅っこで考えながら、しかし父の好意(?)はありがたく受け取って、私はめでたく自分の車(しかし現在の所有者は父)を持つ身になった。
それが7月のはじめのお話。
そして整備に手間取ったとかお盆休みに突入したとか諸々の条件がかさなって、納車はお盆明け直後にということになったわけだ。
実は車を買っ(てもらっ)た話は、蓉子にはまだしていない。驚かせようと思ってずっと黙っていた……というのは半分嘘で、実はアパートの近所の駐車場は家賃(?)が高くて借りられず、結局は実家に置くことになったから。
故意も他意もなく、すべてが秘密裏に進んでしまって話すきっかけを失ってしまった、というのが真相だったりする。
だから納車とは言っても中古車店の人に車を持ってきてもらうのではなく、自分の足で車を取りに行った。ちなみに、納車を一番楽しみにしていた父は、急な仕事で同行できなかった。
それが間違いの始まりだった。
AC電源をいっぺん「ぶし!」と刺してまた抜いたら、表示が正常になりました。
人騒がせはやめてね。ウチの子になってまだ1年くらいしか経ってないんだからさー。