ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態

ぼえぼえ―お道楽さま的日常生態― STUDIO L Webん室

まぁ、いわゆる雑記。

 9/12開催のマリみてオンリー【子羊たちの運動会】の勝手に盛り上げ企画・その2。

 相互フォロワーのそうしゃいっそうさん出して頂いたお題 第2弾
『温泉に入る聖蓉』です。
 
 ささ、どうぞ。

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二次創作・実験室 > マリみて
 9/12開催のマリみてオンリー【子羊たちの運動会】で、出町柳文庫さん(主宰:特急さん)の聖蓉R18合同誌に参加してます。

 …でまぁ、何か盛り上がることしてぇなぁって思いまして。
 合同誌の参加者・そうしゃいっそうさん(https://twitter.com/nanasigotesuto)に「聖蓉で見たいものを言うが良い」とお題を4つ、絞り出して頂きました。

 ご本人にはまだ言ってないんですけど(こいつは…)、可能ならばイベントまでの毎日、ワンドロ的に1200字程度のSS(ほんとの意味でのSS)を投下できたらな…って企画です(あまりにも他力本願だが。

 では、1題目。
 『ドライブする聖蓉』
 で、ございます。
 さ、どうぞ。

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二次創作・実験室 > マリみて
「知らない場所のはずなのに、どこか懐かしい気がして立ち止まる」で始まり「静かで優しい夜だった」で終わります。
https://shindanmaker.com/804548

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 では、どうぞ。
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二次創作・実験室 > 艦これ
 鳳翔が困ったような顔をするのはよくあるが、ヒナセが我を通して本来の業務を滞らせるときくらいのことで、その時ともまた違う、なんとも言いしれぬ雰囲気を漂わせていた。
「提督……その……」
 鳳翔がためらいがちに口を開き、そして体をこちらに向けた。
「……え!? ……ちょ……それは……」
 鳳翔が抱いているものを見て、ヒナセは硬直し、その弾みでバランスを崩して後ろによろけてしまった。ちょうど部屋に入ってきたカワチ提督に背中がぶつかる。制服の上からでもはっきりと分かる外骨格系下着の感触が首から伝わった。
「おっと……どうしたヒナセ、一体何………え!……はぁ!?」
 頭の上で、実にめずらしいカワチの驚いた声がし、その声がヒナセに冷静とさと取り戻させた。
「レーコさん、扉閉めて。閉めて」
「あ……ああ、はい……」
 背中からカワチの感触がなくなり、パタンと戸を閉める乾いた音を聞いてから、鳳翔に声をかけた。
「えっと……鳳翔(おかあ)さん……」
 それでもついプライベート名で呼んでしまったのは、致し方ないことだろう。
「それ……翔鶴……ですよね?」
「……はい。翔鶴さんです。その、目の前でみるみるうちに、このように……その……お泣きになるので、その……」
(それは気の毒に……)
 ヒナセが抱いた感想はそれだけだった。いや、それだけしか思考が回らなかった。
 鳳翔の驚愕は察して余りあるし、泣くから抱くというのもさすがだと思った。大和型ではあるが、一度赤子を育てた実績は伊達じゃない。
 赤子……。
 そう。
 鳳翔の腕に今まさに抱かれているのは、つい数刻前まで通常のドロップ艦だった『翔鶴』
 現状、完璧に赤子になって鳳翔の腕に抱かれている……という、最大のゆゆしき問題という名のオプションが付帯しているけれども。
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二次創作・実験室 > 艦これ
 制帽の奥からカワチと妙高型たちの様子を見ていたヒナセは、自分には一生かかってもできそうにない受け答えだが、本来艦娘指揮官『提督』とは、あああるべきなんだろうなぁ……などと、今考えなくても良さそうなことを考えていた。
「とにかく、状況は? 状態がイマイチなドロップ艦を入渠槽ごと入れてたよね、確か」
 ヒナセが素っ気ない声で那智に訊く。できないならばできないで、それなりの立ち回りというものはある。
「あ……ああ……その……とにかく見てくれ。言葉でどう説明したものか……」
 どうにも歯切れが悪い。
 那智の狼狽ぶりに、ヒナセは事の重大さを感じずにはいられなかったが、実はこの那智、ときどき盛大にポンコツ振りを発揮することがあるので、そこも加味しておかねばならない。
「……ふむ。安全は確保できてるね」
「もちろんだ」
「じゃ、見てみますか」
「司令官、私が先に……」
「んにゃ、いい。那智を信頼してるから」
 考え得る重大ななにがしをいくつか用意しながら、ヒナセは救護室の扉を開けた。
「……れ?」
 開けてまず見えたのは、鳳翔の姿だった。顔だけこちらを向いている。
「……那智に呼ばれて来たんですけど?」
 言いつつ部屋に踏み入れて鳳翔の顔にピントが合えば、彼女が困惑したような顔になっているのに気が付いた。
「えっと……」
 ヒナセは思わず足を止めた。
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二次創作・実験室 > 艦これ
 ヒナセとカワチが救護室に近づくと、那智・足柄・羽黒の三人が救護室の扉を守るように立っていた。たぶん他の艦娘が近寄らないようにしているのだろう。二人の提督は、お互いにチラリ、チラリと目配せをし、三隻の番犬たちに近づいた。近づきながら、ヒナセは制帽の位置を整えるフリをして目深にかぶり直す。
 二人が進むにつれ、集まってきていた艦娘たちが作る壁の一画が崩れはじめる。その動きに扉を守る三守護神たちの視線がこちらに集中する。ヒナセが制帽を目深に被っているからだろう。三人の表情が硬く引き締まった。
「待たせたね」
 まずはカワチが軽やかに声をかけた。扉を守る妙高型次女以下三名が、その場で姿勢を正した。自分たちの主人であるカワチ提督とその上司であるヒナセ司令官に対する最上級の礼だ。こういう部分でこの妙高型たちは、今誰を立てるべきかをよく把握しているし、上下関係を他の艦娘たちに示す規範になっている。
「すまない提督」
 那智がばつの悪そうな顔で視線を下げる。それに対してカワチはニコッと涼やかに笑い、那智の肩にポン、と手を置いた。
「いやなに、おかげで事の重大さが知れたよ」
 カワチの口調はややおどけたような感じ、那智は首を横に振った。
「いや、そうじゃない。あれで、余計にみんな集まってしまって……」
「ああ……確かにね。仕方がないよ、それは。私たちも伝声管を使えないようにしていたからね。せめて君たち誰かの妖精さんを連れておくんだった」
 言って、カワチは手に持ったマフラーを胸の高さに上げて肩をすくめて見せた。
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二次創作・実験室 > 艦これ
「とにかく現状維持のまま、できるだけ急いで鹿屋に戻るしかないでしょうな。どのみち明日の朝には着きますよ」
「そうね、事故がなければね」
「……嫌なこと言わないで下さい」
 カワチのうんざりしたような声を聞きながら、ヒナセはずず…っと冷め切ったココアをすすった。冷たさが歯に響いて、虫歯もないのに痛い。
「じゃ、戻りましょうか。風邪を引いたら何もならない」
「うぃっす」
 カワチが伝声管に巻いたマフラーを取ろうとしたとき、管がピリピリと震える感触に気が付いた。
「……ん?」
 手早くマフラーを解いて蓋を開けると、那智の悲鳴のような声が飛び出す。
『アキラ! 司令官と早く降りてこい! 救護室!!』
 ヒナセとカワチは顔を見合わせた。那智は公私混同するタイプではない。完全なプライベートではカワチを名前(ファーストネーム)で呼ぶが、それ以外は『貴様』か『提督』としか呼ばない。今カワチが防空指揮所に上がっているのはヒナセと会議をするためだとも知っている。ということは――
 なにかゆゆしき問題が起きた。それも重大な。
「急ごう!」
「だね……」
 二人は防空指揮所を飛び出し、タラップを駆け下りて救護室に向かった。
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二次創作・実験室 > 艦これ
 艦娘は兵器――究極に言えば工業製品――と位置づけられた存在である。人間に酷似しているので一般的にはロボットみたいなものと思われているが、実際には、人間がもつ能力を何十倍にも強化したバイオロイド的なモノと考える方が正解に近い。筋力はもとより、五感については視力と聴力がことさらに強化されており、どちらも感知範囲はかなり広く、精度も高い。
 今『妙高』の中には五十隻近い艦娘たちがいて、そのうちの二十八隻は作戦海域で回収した艦娘である。内訳はドロップ艦だろうと思われる艦娘が九隻とドロップ艦でもないのになぜか所属元が判明しない艦娘が十九隻。所属不明艦は佐鎮の艦政部にすべて引き取って頂きたかったのだが、状態の芳しくない艦娘ばかりを選り分けられて、そのまま押しつけられてしまった。ヒナセが所属する鹿屋は佐鎮管轄下の主要基地であり、その鹿屋の分基地であるヒナセの三三六分基地は、佐鎮の孫(まご)曾孫(ひまご)玄孫(やしゃご)みたいなもので、家長にも等しい存在から基地の主任務を盾に艦娘の引き取りを拒否されてしまえば、こちらはグウの音も出ない。というわけで二十八隻全員とりあえず鹿屋に連れて帰ることになった。鹿屋に戻った先のことが確定していず、さらに自分ちの艦娘のほうが少ないという状況で、未所属艦娘に内部事情が漏れるのは、はっきり言って好ましくないどころか危険である。回収・搬送艦娘が数隻なら厳重防音された専用の待機部屋にでも入っていてもらうのだが、まさかの十五隻超えでそういうわけにもいかなくなった。仕方がないので一部の兵員室を収容艦たちに解放すると、今度は艦内中に張り巡らされている伝声管がやっかいな存在になった。伝声管内に伝っている音が人間には聞こえないくらいの音量だとしても、艦娘になら聞こえてしまう可能性が十分ある。
 そのような諸々の事情が重なって、結局、防空指揮所くらいしか内緒話ができる場所がなかった。寒いのなんとは言ってられない。
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二次創作・実験室 > 艦これ
 景二 有明海上 佐鎮~鹿屋D航路



 西の水平線が赤く染まっているのを右舷に据え、旗艦『妙高』は艦首を南に、穏やかな海の上を進んでいる。
 沖ノ島沖で展開した大規模海戦は、かろうじてこちら側の勝利に終わり、ヒナセたちはやっとのことで任を解かれた。佐世保鎮守府に一時寄港して諸手続をすませたあと、旗艦を『妙高』に替えて鹿屋への航路を取った。やや大きな迂回ルートであるD航路を取ったのは、休息を取りながら帰投したいためである。鹿屋に戻れば別の諸手続が待っている。やらねばならないことを先延ばしにするのは良いことではないが、今はとにかく疲れを取ってやりたいというのが、ヒナセとカワチの共通の気持ちだった。
 特に『鳳翔』は補給任務時と漂流艦回収時の大騒動で、飛行甲板や格納庫どころか艦内までドロドロに汚染されまくり、鳳翔自身も疲労困憊のために実艦形態での運用が困難な状況になってしまった。沖ノ島沖の作戦海域から佐鎮に帰投するまでは、かろうじて旗艦としての勤めを果たしたことを賞賛すべきだろう。佐鎮で入渠させることも考えたが、鳳翔自身がそれを嫌がったので、ヒナセはカワチの進言を受け、旗艦を『妙高』に移した。現在、旗艦『妙高』の艦長はカワチ少将が、航海長は妙高務めている。
「とにかく、だ。返却先がわからない艦娘たちを、まずどうするか決めないと」
『妙高』の防空射撃所で、ヒナセは寒さに震えながら言った。手に持ったココアが光の速さで冷たくなっていくのを、手袋越しにひしひしと感じる。
「ですな。とりあえずは鹿屋基地に戻ることが先決でしょう。あとはアサカ次長に相談するしかないのでは?」
「だねぇ……佐世保を出る前に暗号電文でざっと報告はしてあるから、処理は速いと思いたいんだけど」
「基地(自分ち)に返りたい空気がダダ漏れですよ、司令官」
「だって、寒いんだもん」
 ココアを飲もうとしても歯の根がカチカチ震えて上手く飲めない。
「じゃあせめて指令艦橋で話をすればいいのに」
「情報漏洩が怖い」
「……確かに」
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二次創作・実験室 > 艦これ
「艦隊進路四時から五時の方向より、艦娘の反応。複数アリ……イエ、多数とのことです」
『多数?』
 司令官と副司令の声がきれいにハモる。
「さきほどの大波で、傾斜復元できずに転覆した艦がいるのではないでしょうか」
 鳳翔が冷静に推測を述べると、カワチが「なるほど」とうなずいて、ヒナセの方を向いた。
「どうします? 司令官」
「どうするもこうするも、こっちに流れてきたのは助けるしかないでしょ。ああ……人も流れてくるかもしれないねぇ」
 ヒナセの声はため息交じりだった。
「ですな。波がまだ荒いので、救命ボートを出すのは無理でしょうから……」
「だねぇ。……『鳳翔』以外装縮して回収に向かわせよう。艦娘形態のほうが小回り効くでしょ。できるだけ助けたくはあるけど二次災害は避けたいな。単艦での作業はNGで。とにかく無理はしないこと」
「了解しました」
 カワチ副司令の朗とした声が艦橋に響く。
「全艦に発令。艦隊進路四時から五時の方向付近から、間もなく多数の艦娘が流されて来ると思われる。『鳳翔』以外の艦は全員艤装縮納。重巡あるいは軽巡と駆逐艦の二隻ひと組で、漂流中の人および艦娘の救助・回収にあたれ。収容は『鳳翔』にて行う。なお二次災害に十分注意するように。天候が悪すぎる。少しでも無理だと思ったら、救助・回収は即時中止するように。くり返す。全艦に発令。艦隊進路―――」
 艦橋はふたたび、連絡妖精さんたちが発するざわめきに包まれた。
(そうは言ってもたぶん流れてるのを見つけちゃったら、みんな助けずにはいられないんだろうなぁ)
 内心でため息を漏らしながら、ヒナセが自分の斜め前で操艦している鳳翔に目をやると、鳳翔も同じようにこちらを見ていた。
「提督。この天候だと飛行甲板は危険なので、格納庫を収容場所にしたいと思いますが、いかがでしょうか」
「あ……ああ、はい。鳳翔さんのお好きなように」
 今実艦形態だからといって、鳳翔が自分自身の運用の仕方についていちいち艦隊司令官に指示を仰ぐ必要はない。なのでヒナセの返事は至極当然のことなのだが、言い方が素っ気なさすぎたか、鳳翔の表情がスッと真顔になった。それに気が付いたカワチが肘で、ヒナセを小突く。
「あんだよ」
「すみません。今足を取られました」
「狭いんだから、気をつけてよね」
 やれやれ困ったものだな、とカワチは心の中で呟いて、鳳翔にほんの少しの憐憫が混じった視線を投げた。鳳翔は表情を消したまま、自分の妖精さんたちに指示を出していた。

 ――――。
 艦隊幹部たちが当座のこと以外に気を回せる程度の余裕を持っていられたのはこの時点くらいまでだった。
 この後、漂流艦娘たちが次々と回収されてきて、旗艦『鳳翔』は、文字通り煮えたぎった地獄の釜のような状況になったのである。
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